寿司職人ロボットは職人不足を救う？導入コストや人手不足の対策を解説

「寿司ロボットを導入すれば、人手不足は解消されるのだろうか」

「寿司職人とロボットの質はどれくらい違うの？」

ITの進化で寿司ロボットに職人の技術が追いつかれているのではないかと、存在が気になっている方もいるのではないでしょうか。

結論、寿司職人とロボットでは食感など握りの精度が違うため、導入している店舗の有無においては目的そのものが異なります。

本記事では、寿司職人ロボットを導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。

最後まで読めば寿司職人ロボットについて深く知れるので、ぜひ参考にしてください。

• 寿司職人ロボットの導入で人手不足は本当に解消できるのか？
• 寿司職人ロボット導入のメリット
  • 大量生産
  • 人件費の削減
• 寿司職人ロボット導入のデメリット
  • 導入コストが高い
  • メンテナンスが必要
  • 複雑な握りや創作寿司はつくれない
• 大手回転寿司チェーン店は寿司ロボットを導入している
• 寿司職人ロボットの代表的企業『鈴茂器工』
  • 企業情報
  • 価格は200万円ほど
  • 大量の自動生産ではなく技術者が1台ずつ作成
• 寿司職人ロボットだとネタを含めた『握る』は難しい
• 寿司職人不足を仕組みで改革する『90日寿司職人育成プログラム』
• 寿司職人ロボットに関するよくある質問
  • Q. 回転寿司で使われるロボットの名前は？
  • Q. 寿司ロボットのシェアが高いメーカーはどこですか？
• まとめ｜寿司職人ロボットと人の握る寿司は目的が異なる

寿司職人ロボットの導入で人手不足は本当に解消できるのか？

寿司職人ロボットの導入は、人手不足が深刻化している現場で大きな助けになります。

現在の寿司業界では、厳しい修行や長時間労働のイメージから若い人材の確保が難しくなっているのが実情です。

そのため、単純な作業を素早く正確にこなせるロボットは、人手不足を補う有効な手段。特にランチやディナータイムなどの注文が集中する時間帯では、力を大いに発揮します。

また、ロボットの導入によって人件費の抑制だけでなく、従業員の負担軽減や職場環境の改善にも効果的です。

寿司職人ロボット導入のメリット

寿司職人ロボットの導入によって、さまざまなメリットが期待できます。

主なメリットをまとめました。

• 大量生産
• 人件費の削減

それぞれ詳しく見ていきましょう。

大量生産

寿司ロボットの大きなメリットは、設定したグラム数や形で均一な品質のシャリ玉を高速で生産できる点です。

職人が手で握る場合、体調や習熟度によって品質にばらつきが出る可能性があります。

しかし、ロボットなら常に同じ品質のシャリをつくれるため、提供スピードや顧客満足度を安定して維持できるのが強みです。

また、シャリ握りが不要になった職人は、ネタの仕込みやお客さまとのコミュニケーションなど、他の業務に集中できる利点も生まれます。

人件費の削減

長期的に見ると、寿司ロボットの導入は人件費を大幅に抑えられます。

なぜなら、これまで複数の職人が行なっていたシャリ握りの作業を、ロボット1台で代替できるためです。

また、人を雇う際に必要となる給与以外の社会保険料や福利厚生費、採用・研修にかかる費用も不要になります。

くわえて、急な欠勤などの予期せぬトラブルにも左右されにくくなり、常に一定の生産体制を維持できる点も大きなメリットです。

寿司職人ロボット導入のデメリット

寿司職人ロボットの導入には、慎重に検討すべきデメリットもあります。注意すべき点を3つにまとめました。

• 導入コストが高い
• メンテナンスが必要
• 複雑な握りや創作寿司はつくれない

一つずつ見ていきましょう。

導入コストが高い

寿司職人ロボットを導入するための大きなハードルは、高額な初期費用です。

新品の業務用ロボットを導入する場合、価格は数十万～数百万円単位になることもあるため、小規模な店舗では決して軽くない負担となります。

初期費用を抑えるためにレンタルやリースを利用する手もあるものの、一定のまとまった資金が必要なことに変わりありません。

導入を決断する前に、ロボットによって削減できるコストがどのくらいの期間で回収できるかなど、長期的な視点での資金計画を立てましょう。

メンテナンスが必要

寿司職人ロボットは精密機械のため、性能を維持するために日々の手入れが欠かせません。

営業終了後の清掃はもちろん、メーカーが推奨する定期的なメンテナンスを怠ると故障の原因になる恐れがあります。

万が一、ロボットが故障した場合は高額な修理費用が発生したり、生産性の低下により店舗運営に直接的な影響が出たりするリスクも考慮しなければなりません。

そのため、メーカーのサポート体制や消耗品の交換費用なども事前に確認しておくことが重要なポイントです。

複雑な握りや創作寿司はつくれない

ロボットは設定どおりの形や硬さでしかシャリを握れないため、細かい調整が必要な複雑な握りには対応できません。

たとえば、ネタの種類や大きさにあわせて力加減を調整したり、シャリを小さめにしたりする技術は、職人ならではの感覚です。

また、独創性が求められる創作寿司や美しさが料理の価値を左右する高級寿司の世界では、ロボットの画一的な仕事は通用しません。

店のコンセプトが職人の技術を売りにしている場合は、寿司ロボットの導入がデメリットになる恐れもあるため注意が必要です。

大手回転寿司チェーン店は寿司ロボットを導入している

大手回転寿司チェーンでは寿司ロボットを積極的に導入し、生産性の向上を達成している企業があります。

たとえば業界大手のスシローでは、生産効率をあげるために寿司ロボットを導入。お客さまを待たせることなく、大量の寿司を低価格で提供するビジネスモデルを確立しました。

くわえて、寿司ロボットだけでなく店内のあらゆる業務に自動化技術を取り入れることで、徹底したコスト削減と効率化を図っています。

たとえば、以下の業務です。

• 席を案内する入店システム
• セルフレジ
• タッチパネルでの注文

大手回転寿司チェーンでは自動化システムを導入し、人手不足解消と安定した品質・効率的な店舗運営を行なっています。

寿司職人ロボットの代表的企業『鈴茂器工』

寿司職人ロボットを語るうえで欠かせないのが、業界のパイオニアの『鈴茂器工』です。

鈴茂器工についてまとめました。

• 企業情報
• 価格は200万ほど
• 大量の自動生産ではなく技術者が1台ずつ作成

一つずつ解説します。

企業情報

鈴茂器工株式会社は、1961年に設立された米飯加工機械・充填機械・包装資材および寿司ロボットなどの製造・販売を行なっている企業です。

世界ではじめて寿司ロボットを開発した、まさにこの分野の先駆者。長年にわたって蓄積された技術力とノウハウを活かし、職人の握りに限りなく近い食感のシャリを再現するロボットを開発しました。

高い品質と信頼性から、日本国内の回転寿司チェーンはもちろん、世界90か国以上（2025年2月時点）で愛用されています。

価格は200万円ほど

鈴茂器工の公式サイトでは寿司ロボットの価格は公開されておらず、購入を検討する際は見積もりを依頼する必要があります。

しかし、楽天市場などのオンラインショッピングサイトを確認すると、一部の機種が200万円前後で販売されているケースが見受けられます。

とはいえ金額はあくまで一例であり、ロボットの価格は生産能力や搭載されている機能・本体のサイズなどによって大きく変動します。

導入を検討する際は、自店の規模や必要な生産量・予算を考慮し、適切な機種を選びましょう。

大量の自動生産ではなく技術者が1台ずつ作成

鈴茂器工の寿司ロボットは、ベルトコンベアで大量生産される工業製品とは異なり、熟練の技術者が一台一台手作業で丁寧に組み立てています。

ロボットを組み立てた後は、精密な調整や厳しい品質チェックを行ない、クリアした場合にのみはじめて出荷されます。

手間を惜しまないクラフトマンシップこそが、他社製品との明確な差別化ポイント。鈴茂器工のロボットが持つ、高い品質と信頼性を支えています。

寿司職人ロボットだとネタを含めた『握る』は難しい

現在の寿司職人ロボットの技術は、シャリ玉を一定に成形するのは得意ですが、シャリとネタを一体化させる「握り」の工程は困難です。

魚の種類によって身の硬さや厚み・脂の乗り具合などは異なります。

寿司を握る際は、それぞれの魚を理解し最適な力加減で握る必要があるため、人間ならではの繊細な感覚と経験が欠かせません。

そのため、現段階ではロボットだけで職人の「握り」を再現するのは難しく、人の手による仕上げが必要です。

寿司職人不足を仕組みで改革する『90日寿司職人育成プログラム』

「飯炊き3年、握り8年」と言われる伝統的な考えは、修行の厳しさを思わせる現代の働き方にあわず、人手不足の一因になっています。

寿司職人ロボットの導入も人手不足を解消する策の一つですが、ネオ・エモーションが提供する研修制度『90日寿司職人育成プログラム』もおすすめです。

未経験からでもわずか3ヶ月で寿司職人としてカウンターに立つための、実践的なスキルを習得！

ロボットでは再現できない、ネタとシャリを一体化させる「握り」の技術をカリキュラムに沿って効率的に学習できます。

人手不足を嘆くよりも、人を育てる仕組みを変える『90日寿司職人育成プログラム』は、時代にあった職人不足の革新的な解決策です。

寿司職人ロボットに関するよくある質問

寿司職人ロボットに関して、よくある質問をまとめました。

まとめ｜寿司職人ロボットと人の握る寿司は目的が異なる

本記事では、寿司職人ロボットのメリット・デメリットや、人手不足に対する新たな解決策を解説しました。

• ロボット導入は、シャリ握りの大量生産と効率化に特化した解決策
• ネタにあわせた繊細な握りや創作寿司は、熟練した職人でなければつくれない
• 人手不足の解決策は、機械化だけでなく「教育の仕組みを変える」視点も重要

寿司ロボットは、効率と生産性を追求する場面で役立ちます。しかし、ロボットが握る寿司と職人が心を込めて握る一貫では、それぞれ価値と目的が異なります。

もし、「人の手による温かみのある寿司」を提供したいと考えているなら、ネオ・エモーションを検討ください！

未経験からでも安心してプロを目指せる、充実した研修マニュアルと教育制度を整えています。